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団野 晧文
高分子, 10(111), p.526 - 530, 1961/00
放射線の有するエネルギーを直接物質に与えて、いろいろの化学反応を起させ、新しい物質をつくるような研究は、放射線化学とよばれ、この十数年間にめざましい発展を遂げた。この新分野て得られた成果は、特に高分子の領域で有望な化学反応がたくさん発見されている。たとえば、放射線による橋かけ反応はポリエチレンを耐熱性、耐溶解性のすぐれた物質に変え、放射線重合は触媒を加えなくても容易にモノマーを重合させ、また放射線グラフト重合は高分子の表面に他のモノマーを共重合させることに成功している。高分子の固体照射では、一般に大線量の照射を必要とするので、いかに良いものができても、工業化は望み薄である。そこでわずかな線量で最大の効果をあげる方向に研究が進められている。グラフト重合、放射線重合、高分子溶液の橋かけなどは、わずかな線量で放射線処理ができるので有望である。